attitudeは心構えか態度か……あるいは精神か
@kiraku_ann どう誤訳なんでしょうか?
— Hiroo Yamagata (@hiyori13) 2016年6月26日
@kiraku_ann ぼくの訳が唯一の権威ではないし、意味的にも十分正しいし、誤訳とかあげつらうべきものではないとおもいますよ。いろんな訳があってよいのです。
— Hiroo Yamagata (@hiyori13) 2016年6月27日
元tweetはこちら。
ハッカー五大精神は
— eternalwind (@juns76) 2016年6月24日
1世界には魅力的な問題がたくさんある
2同じ問題を別人が繰り返しとくのは無駄なこと
3退屈な単純作業は悪
4自由は善
5態度の良さは能力の代用にはならないhttps://t.co/trn2jt4gVu
個人的には,「山形浩生がこんな大人の対応をしてしまうなんてつまらない」と思わなくもないが,しかしまあこれは当然の反応か。morito.s氏のいう「「心構え」は表明するまで外からは分からない人間の内側の件、「態度」は第三者からも確認できる外側の件なので意味が真逆ではないかと思い誤訳と書きました」という理屈は,日本語のニュアンスの差の説明としては通じても,そのまま訳に援用できるものではない。
とはいうものの,eternalwind氏にも上手くないと思われる部分がある。そもそもの英文は以下のようなもの(出典 エリック・レイモンド:How To Become A Hacker)。
The Hacker Attitude
人によっては一読して気が付くであろうけど,この短文の最大の見どころ,というかオチは,「The Hacker Attitude」と大上段に構えながら,最後の5で「でもattitudeだけじゃだめだよ」と言ってしまっていることにある。
そういう意味で,attitudeの訳に何の日本語をあてるかは大した問題ではないかもしれないが,2つのattitudeに同じ語をあてるのは重要で,流石ここは山形浩生氏は外していない。
これは訳の巧拙の問題とは異なるかもしれないが,用字や用語に対する配慮という意味で,やはり山形浩生氏のほうが一枚上手と言わざるを得ないだろう。